毎日コレステロールを気にしている方へ 3月まだコレステロールは冬。

毎日コレステロールを気にしている方へ 3月まだコレステロールは冬。

血中コレステロール値の高い3月までは心臓病への備えを万全に

 

リスやクマは、秋のうちに大量のえさを食べ、体に脂肪を蓄えます。これは寒い冬を越すための準備と考えられていますが、実は人間も、冬は血液中のコレステロール値が高くなっているのです。

ある人間ドックが受診に来る人のLDLコレステロール(「悪玉コレステロール」と呼ばれることもあります)の月別の平均値を調べたところ、12月から3月までが最も高いという結果でした。一方、厚労省が月別の心臓病死の件数を調査したところ、全く同じ期間に多発していました。

両方のグラフを並べるとかなり似ており、血中コレステロールと心臓病の深い関係が実感されます。冬の戻りで寒い日もあるこの時期、「3月一杯は冬」という心掛けで、心臓病対策を怠りなく。

 

なぜ血中コレステロール値が高いと心臓病になりやすいのか

心臓病の中でも、最も生命にかかわるタイプは、心臓を動かす筋肉に血液を供給する「冠動脈」が詰まってしまう心筋梗塞です。

冠動脈が詰まる原因ですが、まず過剰なLDLコレステロールなどが血管の内側に溜まり、酸化して炎症を起こした袋状の固まりとなります(動脈硬化)。さらに血圧が急に上がったときなどをきっかけに袋が破れ、血栓となって血液の流れをせき止めてしまうのが心筋梗塞や狭心症です。

ですから対策としては、LDLコレステロールを溜めないことと、酸化させないことが重要になります。

 

食品のコレステロール制限は廃止されたけれど

 

以前はコレステロールが多いという理由で、イカ、タコ、エビ、貝類は良くないとか、タマゴは1日に1個までという食事制限が言われていましたが、2015年以降は厚労省により撤廃されています。

血液中のコレステロールの7~8割は肝臓で作られています。しかも食品のコレステロールが多ければ肝臓はコレステロールを少ししか作らず、少なければ多く作るという

 

働きがあるため、食品のコレステロールを気にする意味は少ないという、20世紀中に証明されていた事実が、やっと定説として認められたからです(* )。

しかし脂質の多い食材、カロリーの高い食事が血中コレステロールを高くすることに変わりはありません。また甘いものを食べたときに溜まる中性脂肪は、コレステロールの粒を小型化して酸化しやすい状態にする働きがあるので、食べ過ぎないようにしましょう。

 

血管内のコレステロールを酸化させない抗酸化食品

 

血液中にコレステロールが増えても、酸化して炎症が発生しなければ、動脈硬化は起こりません。

細胞の酸化と闘う抗酸化物質を多く含む食品をとるようにしましょう。ビタミンC、ビタミンE、ベータカロテンを含む緑黄色野菜、リコピンを含むトマト、アントシアニンを含むナス、ポリフェノールが多いお茶などもいいでしょう。

しかし食品だけでは量的に不足することがありますので、補助的な方法としてサプリメントを活用した抗酸化対策も検討してください。抗酸化物質を誘導する「シスタチオニン」や、多くの有効なアミノ酸群を含むマムシ。強力な抗酸化作用がある化合物「グルコシノレート」を補給できるマカなどは、簡単に摂取できますのでおすすめです。