DHAの「体脂肪燃焼効果」で高血圧・糖尿病に備える。

DHAの「体脂肪燃焼効果」で高血圧・糖尿病に備える。

魚の油が体脂肪を燃焼させる

魚油に含まれる脂肪酸であるDHAやEPAに、動脈硬化を防ぎ、心臓病を防ぐ作用があることは、すでによく知られています。しかし最近は、DHAやEPAが体脂肪を燃焼させることで、メタボ体形をスマートな体形に変えるという話が、あちこちで聞かれるようになってきました。

ニュースの発信元は京都大学。農学研究科のグループが2015年に発表した論文が、イギリスの科学雑誌に掲載されてから、ダイエットに熱心な人たちの間で、大きな話題になっているのです。

 

エネルギーとして消費される褐色脂肪

 

ヒトの脂肪組織には、脂肪を貯めこむ作用がある「白色脂肪細胞」と、脂肪を分解してエネルギーに変える「褐色脂肪細胞」があります。したがって褐色脂肪が減ると、中年太りや、高血圧・糖尿病など生活習慣病の原因になります。

魚油が腸などの消化管に達すると、交感神経(緊張させる神経)が活性化されることで、白色脂肪が、褐色脂肪や、中間的なベージュ脂肪に変化し、体脂肪の消費が促進されるという仕組みです。

 

脳と目、そして脱メタボのDHA

 

今年の『健康な暮らし1月号』では百寿者を特集しましたが、その中で先生が「百寿者に肥満の人はほとんどいない」、「魚が好き」とおっしゃっていました。これはDHAの脂肪燃焼効果を指していたのかも知れません。

従来からDHAは、脳や目の網膜に直接取り込まれる唯一の脂肪酸として(EPAは脳や網膜には届きません)、脳や目の衰えが心配な方から絶大な支持を受けてきました。それに加えて、これからは高血圧・糖尿病への備えとしても活用される時代になりそうです。