東京駅から有楽町・銀座界隈を歩く

東京駅から有楽町・銀座界隈を歩く

JR東京駅を起点としている路線は、新幹線が東海道新幹線と東北新幹線の2路線、在来線が東海道本線・東京上野ライン(東北本線)・総武本線・京葉線の4路線で、これら各路線はすべて当駅を起点としており、構内にはこれら各線の0kmポストが設置されています。
写真は、6番線「京浜東北線」と7番線「上野 東京ライン・東海道線」の間にあるゼロキロポスト」を7番線ホームから写したもの。矢印のように上り下りの両方を指す形の土台に乗っています。土台の中央には、6番線から見える側には「JR JUNE 23 1996」と刻まれていて、写真の7番線から見える側には「KM」と刻まれています。
なお、中央本線はかつては当駅が正式起点でしたので0kmポストが設置されています。現在は神田駅が起点とされています。
そんな東京の玄関口である「東京駅」、電車の待ち時間に周辺をちょっと散歩してみるのはいかがでしょう。

今回は、説明が長くなってしまいましたので、先に下記リンクより散歩MAP(PDFデータ)をご覧いただくとわかりやすいかもしれません。⇒東京駅から有楽町・銀座界隈の散歩MAP

東京駅の歴史
1896(明治29)年に新橋駅と上野駅を結ぶ高架鉄道の途中、皇居(宮城)の正面の原野に中央停車場を建設することが可決され、大林組の施工により1914(大正3)年12月20日に開業。「東京駅」と名付けられました。
大正時代に入り、中央本線につづき東北本線が乗り入れ、1929(昭和4)年12月16日には東側の八重洲口が開設されるなど、徐々に発展していきました。
しかし、太平洋戦争の東京大空襲で大火災を引き起こした駅舎は、レンガ造壁とコンクリート造床の構造体は残りましたが、鉄骨造の屋根は焼け落ち、内装も大半が失われました。終戦直後から修復計画を立案し、1947(昭和22)年にかけて修復工事を行い、ほぼ現在の外観になりましたが、東京駅の創建当初の復原工事を期待する声も多く、2007(平成19)年5月30日に起工され、2012(平成24)年10月1日に現在の駅舎が完成しました。

有楽町の歴史
町名としての「有楽町」は、千代田区の見解では、織田信長の弟、織田長益(有楽斎)が徳川家康より数寄屋橋御門周辺の土地を拝領したことからとしています。
また、明治初めの誕生の時、現在の東京駅あたりに「永楽町」が生まれていることから、有楽、永楽はペアの地名であって、明治初期の新政府(東京)による町名確定の際、めでたい意味から創作された瑞祥地名とも考えられています。はっきりしているのは江戸時代中期の頃から有楽ヶ原と江戸の絵図に地名がでており、正式な町名としては、明治5年(1872)からとなっています。
明治31年(1898)に東京市役所が設置され、明治43年(1910)には山手線が延伸され、有楽町駅が開業。昭和8年(1933)に日劇が、昭和9年(1934)に東京宝塚劇場がオープンし、有楽町は劇場街となっていきました。
平成17年(2005)の千代田区教育委員会による発掘調査では、大岡越前守で知られる、宝永4年(1707)開設された南町奉行所などの遺跡の存在が確認されました。

 

東京駅「丸の内口」から有楽町駅・方面へ

東京ステーションギャラリー(丸の内北口)
2012年秋、東京駅駅舎完成とともにさらに時代に即し、進化したかたちで6年半ぶりに新しくスタート。様々な企画展やイベントも開催しています。
《開館時間》10:00 – 18:00(金曜日 10:00 – 20:00)※入館は閉館30分前まで/《休館日》月曜日(祝日の場合は火曜日)、年末年始、展示替期間/《入館料》企画展により異なる

東京ステーションホテル(丸の内南口)
2012年秋、東京駅駅舎完成とともにリニューアル・オープン。大正創建当時の優美な姿に蘇った国の重要文化財東京駅丸の内駅舎の壮麗な外観に調和するヨーロピアン・クラシックのデザインの内装に一新されています。2015年11月2日に開業100周年を迎えています。

丸ビル(写真左)と新丸ビル(写真右)
丸の内ビルディングは、三菱地所保有のオフィスビルで通称丸ビル。これは1999年(平成11)に取壊された丸ビルの形が円筒形であることから来ています。行幸通りを挟んで向かい側に位置している、新丸の内ビルディング(通称:新丸ビル)とともに、商業施設、オフィスフロアを兼ね備えた複合ビルです。

三菱一号館美術館
2010年春、三菱が1894年に復元した「三菱一号館」(ジョサイア・コンドル設計)に開館。19世紀後半から20世紀前半の近代美術を主題とする企画展を年3回開催しています。
《開館時間》10:00 – 18:00(祝日・振替休日除く金曜、展覧会会期中の最終週平日は20:00まで)/《休館日》月曜日(祝日・振替休日・展覧会会期中最終週の場合は開館)、年末、元旦、展示替え期間/《入館料》展覧会により異なる

相田みつを美術館
書家・詩人として、自分の書、自分の言葉を探求し続けた相田みつを、その作品の数々を展示・紹介しています。ミュージアムショップは入館無料です。
《開館時間》10:00 – 17:30(入館は17:00まで)/《休館日》月曜日(祝・祭日の場合は開館)/《入館料》一般・大学生―800円、中・高校生─500円、小学生─200円(未就学児は無料)、70歳以上の方─500円他

DNタワー21
戦後、GHQに接収され、連合国最高司令官総司令部となった元第一生命ビル。第一生命館では、現在でもマッカーサー総司令官室が「マッカーサー記念室」として保存されています。通常は一般公開されていませんが、2015年7月29日から6日間の期間限定で、3年ぶりに完全予約制での一般公開がされたようです。

出光美術館
1966(昭和41)年、出光コレクションを展示する美術館として東京都千代田区丸の内に開館。美術館は皇居のお濠に面した帝劇ビルの9階に位置しています。
《開館時間》10:00 – 17:00(金曜日 10:00 – 18:30)※入館は閉館30分前まで/《休館日》月曜日(ただし月曜日が祝日および振替休日の場合は開館)、年末年始、展示替期間/《入館料》一般・大学生―1000円、高・大学生─700円、中学生以下無料(ただし保護者の同伴が必要です)他

有楽町ガード下の飲食店街
昭和のサラリーマンが足繁く通いたくなる庶民的なお店から、若者も多く訪れるような明るい雰囲気の女性でも入りやすいお店まで、ガード下の飲食店街は賑わっています。ランチ営業のお店もありますので、東京駅から有楽町駅のガード下のグルメ散策でも楽しめると思います。

南町奉行所跡
大岡越前で有名な「南町奉行所跡」は、JR有楽町駅の駅前なのですが、意外と知られていません。有楽町駅中央口側駅前広場から地下1階に降りる階段・エスカレーターの東側に南町奉行所のモニュメントがあります。

 

東京駅「八重洲口」から有楽町駅・銀座方面へ

北町奉行所跡
時代劇でお馴染み「遠山の金さん」のモデルとなった遠山左衛門尉景元が勤めていた北町奉行所の跡の説明板は、現在2ヶ所ですが、とてもわかりにくい所にあります。頑張って探してみてください。一つは、丸の内トラストタワー本館の東側通路(遊歩道になっています)の植え込みの中。もう一つがまた最近移動した模様、「北町奉行所跡」の石碑がグラントウキョウノースタワー前の植え込みの中にあります。

グランルーフ
東京駅八重洲口に南北をつなぐ「グランルーフ」が2013年9月20日に完成。グランルーフは八重洲口の2大高層ビル「グラントウキョウノースタワー」と「グラントウキョウサウスタワー」をつなぐ巨大な歩行者空間で、長さ約230メートルの大屋根と幅最大9メートルの歩行者通路になっています。また、地下1階から3階に新たな商業ゾーンがオープンしています。

ブリヂストン美術館(只今、長期休館中)
ブリヂストンの創業者である石橋正二郎の収集した美術品を展示するため、1952(昭和27)年ブリヂストンビル内に開館した西洋美術館。19世紀当時、絵画が鑑賞されていた時代の雰囲気を味わえます。残念ながら、ビルの建て替えに伴う新築工事のため、2015年5月18日より長期休館中です。

東京国立近代美術館 フィルムセンター
日本で唯一の国立映画機関として発足。様々なテーマによる企画上映(観覧料あり)や、図書室での映画文献の公開、展示室(観覧料あり)での映画資料の展示を行っています。
《開館時間》11:00 – 21:00(土・日・祝 11:00 – 18:30)※図書室は12:30 – 18:30/《休館日》月曜日、年末年始、上映準備・展示替え期間※図書室は日曜日も休館

警察博物館(今年4月1日~2017年春まで休館)
日本の警察の始まりから現代までの歴史的資料。警視庁の歴史や活動を知ることができるほか、コンピュータゲームを通じて楽しく学習することができます。入場無料です。
《開館時間》10:00 – 18:00/《休館日》月曜日(祝日に当たる場合は翌日)、年末年始(12月28日~1月4日)

奥野ビル
画廊やギャラリーが入るこのビルは、1932(昭和7)年竣工の銀座屈指の元高級アパートメント。昭和初期の趣を残すタイル貼りの外観や、銀座最古の手動式エレベーターなど昭和初期の風合いの残る内装が今ではかえってモダンに感じられます。

銀座中央通り
銀座1丁目から8丁目、京橋から新橋へと抜ける文字通り銀座の中央を走るメインストリートで、土日祝日は歩行者天国になります。歩行者天国は40年以上続く恒例行事で、いつもは車が行きかう中央通りが、人々がのんびり、ゆっくりと歩ける道となります。

日動画廊
1928年に創業、日本で最も歴史のある洋画商として、油彩、彫刻、版画を主に、内外の物故・現存あわせてその取り扱い作家は数百名に及びます。営業時間は、平日が10:00〜19:00、土曜日と祝日が11:00~18:00となっています。日曜日は休廊です。

日本各地のアンテナショップを巡る!

【1】東京交通会館⇒たくさんのアンテナショップや地方の名産品を販売するお店が数多く入っています。
北海道どさんこプラザ/秋田ふるさと館/いきいき富山館/Shizuoka Mt.Fuji Green-tea Plaza/大阪百貨店/ゆめぷらざ滋賀/わかやま紀州館/むらからまちから館/兵庫わくわく館/徳島・香川トモニ市場~ふるさと物産館~/ザ・博多/コウノトリの恵み 豊岡/ピエトロドレッシング/丘のまち美瑛
【2】京都府 京都館
【3】北海道 北海道フーディスト
【4】福島県 八重洲観光交流館
【5】大分県 坐来大分
【6】沖縄県 銀座わしたショップ
【7】高知県 まるごと高知
【8】茨城県 茨城マルシェ
【9】山形県 おいしい山形プラザ
【10】徳島県 ええもんあるでぇ徳島
【11】広島県 広島ブランドショップ TAU
【12】鹿児島県 かごしま遊楽館
【13】熊本県 銀座熊本館
【14】長野県 銀座NAGANO~しあわせ信州シェアスペース~
【15】群馬県 ぐんまちゃん家
【16】岩手県 いわて銀河プラザ
【17】石川県 いしかわ百万石物語・江戸本店
【18】北海道 函館市アンテナショップ「函館もってきました。」

 

東京駅から有楽町・銀背界隈を散策してみると、工事中の建物や広場を目にします。かなり大規模な再開発プロジェクトが進行しているようです。どう変わるのかに夢を馳せながらの散策もおもしろいかもしれませんね。また、地図上ではご紹介しきれていませんが、東京駅・大手町駅・二重橋駅・日比谷駅・有楽町駅・銀座駅・東銀座駅は、地下通路(一部は建物内)のみで巡ることも可能なんですよ。お好きな方は、東京駅の大地下街を探検してみてください。急な雨の際の避難路としても役立つことがあるかもしれません。ただ、地下なのにアップ・ダウンがありますので、足がご不自由な方は地上の方が歩きやすいです。

(「健康な暮らし」2015年4月号掲載・一部修正)

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